「オムライスとサラダにスープ……で簡単にすませていいかな?」
「わかった。俺がサラダを作る。米は炊いておいたから使って。それから夜叉の分も作ってやってくれ」
方針が決まるとすぐに恭介さんはテキパキと動き出す。お米を炊いておいてくれたのは助かるけどサラダを作ってくれる……?
「ま、待って!!恭介さんは座って!家事は全部やるって言ったでしょ」
「俺は霞を家政婦にしたくて家に招いたわけじゃない。一緒にやる」
冷蔵庫から野菜を出していた恭介さんは、ああそれからと思い出したようにポケットから何かを取り私の手のひらに乗せた。
「まずはこの手を治せよ」
渡されたのはハンドクリームだった。長きにわたる水仕事で手はガサガサで赤切れも酷い。
「ありがと、恭介さん」
彼からの返事はなく野菜を水洗いしている。少しだけ滲んだ涙を拭って私も料理を始めた。
一昨日朝食を取った長テーブルで三人黙々とご飯を食べる。あの朝一席空いていたのは夜叉さんの席だったんだと思った。
これまでずっと1人で食事をしてきた。食事といっても余り物で作ったものだし、キッチンで立ってかき込んで食べていたのだけれど。
だからこんな風に誰かと食事できるのが本当に嬉しい。それが好きな人なら尚更。恭介さんを盗み見ると赤ワインを呑んでいる。
「わかった。俺がサラダを作る。米は炊いておいたから使って。それから夜叉の分も作ってやってくれ」
方針が決まるとすぐに恭介さんはテキパキと動き出す。お米を炊いておいてくれたのは助かるけどサラダを作ってくれる……?
「ま、待って!!恭介さんは座って!家事は全部やるって言ったでしょ」
「俺は霞を家政婦にしたくて家に招いたわけじゃない。一緒にやる」
冷蔵庫から野菜を出していた恭介さんは、ああそれからと思い出したようにポケットから何かを取り私の手のひらに乗せた。
「まずはこの手を治せよ」
渡されたのはハンドクリームだった。長きにわたる水仕事で手はガサガサで赤切れも酷い。
「ありがと、恭介さん」
彼からの返事はなく野菜を水洗いしている。少しだけ滲んだ涙を拭って私も料理を始めた。
一昨日朝食を取った長テーブルで三人黙々とご飯を食べる。あの朝一席空いていたのは夜叉さんの席だったんだと思った。
これまでずっと1人で食事をしてきた。食事といっても余り物で作ったものだし、キッチンで立ってかき込んで食べていたのだけれど。
だからこんな風に誰かと食事できるのが本当に嬉しい。それが好きな人なら尚更。恭介さんを盗み見ると赤ワインを呑んでいる。



