Flower~君の美しい記憶の中で今日も生きていたい~

隣でそう言った恭介さんは満足気に口角を上げる。一方私は状況を飲み込めず、男性たちの動きを呆然と見ていた。


1時間を経たずして男性たちはベッドに机、サイドテーブルに間接照明、本棚、イス……など殺風景だった部屋に家具を充実させる。

そして後から入ってきた女性数人が小物(クッションやキャンドル、花など)を飾りつけた。


まるで映画の中のプリンセスみたいな部屋が完成した。この前滞在した客間に似てロココ調の家具だが、パステルカラーが所々に使われている。


「いいんですか、こんな……」

2人きりになって静かになった部屋で感動して口に両手を当て、口元を隠す。

「ふっ、もちろんだ」


それを聞いた途端に私は、はしたないことを承知で走ってフカフカなベッドにダイブする。ぼすんと私の体を受け止めたベッドに身を沈めた。


ぐりぐり頭をクッションに押し付ける。溢れて仕方ない喜びを発散した。


「こんなに喜んでくれて俺も嬉しい」


「ありがとうございます!!住まわせてくれるだけでありがたいのに」


顔をクッションから離してベッドの上で正座をし、机にもたれていた恭介さんに頭を下げる。

「俺から一つお願いしてもいいか?」


「はい?私にできることであれば?」