Flower~君の美しい記憶の中で今日も生きていたい~

「あっ、お、はようございます」

階段を降りるとすぐにリビング＿＿といって一般家庭とは広さも装飾も違う＿＿だった。そして料理が盛られた皿を持った恭介さんがいた。


「おはよう。体調は、良さそうだな。朝ご飯は食べる？」


「えっと、はい！！あ、手伝います！！」


恭介さんから皿を受け取る。もうすでにカトラリーが置いてある長テーブルに運ぶ。


誰かに作ってもらった朝ご飯。それに昨夜はお粥も彼のお手製だった。高価そうな皿には厚切りベーコンが二枚にスクランブルエッグ、サラダが盛られている。


テーブルにはすでにクロワッサンが二つずつ乗った皿が。キッチンから戻ってきた恭介さんの手にはスープ。


先に恭介さんが席について、私も座る。2人で使うには長いテーブルだ。お誕生日席に彼が、向かい側のお誕生日席に椅子があるも私の席は端々の中間であった。


「今日予定はあるのか？」

食事に手をつけながら恭介さんは言った。私もクロワッサンをちぎる。


「いえ、特には……ないです」


「それならいい。俺と出かけよう」


私の手から皿へちぎったクロワッサンが転げ落ちる。それを見た彼は眉を顰めた。


「嫌とは言わせないよ」


「ぜひ、お供させてください！！！」


椅子を足が押し、手を挙げて勢いよく立つ。恭介さんは口元を緩めた。