暖かくて、ふかふかで気持ちがいい。ここが天国だろうか。微睡の中で誰かの気配を感じた。
ゆっくりと瞼を上げると知らない天井が見える。見える範囲で見渡すと全体的にアンティーク調に部屋はまとめられていた。
何個かある間接照明が部屋の中をオレンジに染める。加えて点々と灯るキャンドルが雰囲気を引き立てた。
「起きたか?」
ぱらりとページを捲る音がする。幾分か楽になった体を上げるとウィンドウベンチに横になって本を読む恭介さんがいた。
欠けた月がカーテンから垣間見える。
頭に乗っていたのだろう冷たいタオルが掛け布団に落ちた。
分厚い本を置いた恭介さんは立ち上がる。彼の行動を私は目で追った。
「寝ずらそうだったから首元はいじった」
「あ……ありがとうございます」
確かにベッドのサイドテーブルには制服のリボンが置いてあり、首元に触れるとボタンが数個外されている。
口を動かした違和感で気づいたが、義母に叩かれた頬には湿布が貼ってある。それに傷だらけの手指にもテープや絆創膏が巻かれていた。
「飯を作ったから少しでも食って、薬を飲んだらまた寝ろ。まだ朝には早い」
テーブルからお盆を持つと、ベッドボードにに体を預けている私の前に置く。一人用の小さな土鍋の蓋を取ると彼は人差し指を振るった。
ゆっくりと瞼を上げると知らない天井が見える。見える範囲で見渡すと全体的にアンティーク調に部屋はまとめられていた。
何個かある間接照明が部屋の中をオレンジに染める。加えて点々と灯るキャンドルが雰囲気を引き立てた。
「起きたか?」
ぱらりとページを捲る音がする。幾分か楽になった体を上げるとウィンドウベンチに横になって本を読む恭介さんがいた。
欠けた月がカーテンから垣間見える。
頭に乗っていたのだろう冷たいタオルが掛け布団に落ちた。
分厚い本を置いた恭介さんは立ち上がる。彼の行動を私は目で追った。
「寝ずらそうだったから首元はいじった」
「あ……ありがとうございます」
確かにベッドのサイドテーブルには制服のリボンが置いてあり、首元に触れるとボタンが数個外されている。
口を動かした違和感で気づいたが、義母に叩かれた頬には湿布が貼ってある。それに傷だらけの手指にもテープや絆創膏が巻かれていた。
「飯を作ったから少しでも食って、薬を飲んだらまた寝ろ。まだ朝には早い」
テーブルからお盆を持つと、ベッドボードにに体を預けている私の前に置く。一人用の小さな土鍋の蓋を取ると彼は人差し指を振るった。



