恭介さんは出された紅茶にレモンを落とすと口に運ぶ。自然に優雅さを醸し出す彼の真似をする。
「恭介さんはどのケーキ食べますか?」
「……君が全部食べていいよ。食べきれなければ、俺が食べるから」
そう言ってくれた恭介さんに感謝して、一番魅力的だったショートケーキをケーキフォークで掬う。口に入れると今まで食べたことのない美味しさに包まれる。
「おいしい、です。今まででいちばんです」
飲み込むのが惜しいほどに。ペロリとショートケーキを食べ終えると次はブルーベリーがふんだんに乗ったタルトを一口。
次々に食べていく私の様子を見て恭介さんは微笑む。窓から差し込む光が彼を照らす。
恭介さんは自分を神様じゃないと言うけれど、私にとって彼は神様みたいな存在だ。今でも辛いけれど家族もクラスメイトも優しくしてはくれないけれど、不思議と前より辛くは無くなった。
日々の中で、小さな幸せを見つけて生きていく。恭介さんが教えてくれたことだ。
「俺はここ数年で一番楽しいかも。君がそばにいると」
冬に積もった雪をも一気に溶かしてしまうような、春の暖かさを運んで花を咲かせるような笑顔だった。
どきどきと胸が早鐘を打つ。ほんのりと顔が熱くなる。それを誤魔化すようにチョコケーキを食べた。
「恭介さんはどのケーキ食べますか?」
「……君が全部食べていいよ。食べきれなければ、俺が食べるから」
そう言ってくれた恭介さんに感謝して、一番魅力的だったショートケーキをケーキフォークで掬う。口に入れると今まで食べたことのない美味しさに包まれる。
「おいしい、です。今まででいちばんです」
飲み込むのが惜しいほどに。ペロリとショートケーキを食べ終えると次はブルーベリーがふんだんに乗ったタルトを一口。
次々に食べていく私の様子を見て恭介さんは微笑む。窓から差し込む光が彼を照らす。
恭介さんは自分を神様じゃないと言うけれど、私にとって彼は神様みたいな存在だ。今でも辛いけれど家族もクラスメイトも優しくしてはくれないけれど、不思議と前より辛くは無くなった。
日々の中で、小さな幸せを見つけて生きていく。恭介さんが教えてくれたことだ。
「俺はここ数年で一番楽しいかも。君がそばにいると」
冬に積もった雪をも一気に溶かしてしまうような、春の暖かさを運んで花を咲かせるような笑顔だった。
どきどきと胸が早鐘を打つ。ほんのりと顔が熱くなる。それを誤魔化すようにチョコケーキを食べた。



