一度踏み潰されて荒らされたこの場所。だけど毎日彼が水をやって、大切に維持をして、そうして生き返った。
恭介さんはやれやれと流れる私の涙をハンカチで優しく拭き取る。
「……それ、ずっと持っててくれたんだね」
「君が贈ってくれた物だから」
ひとしきり泣いた私はやっと落ち着いた。その間ずっと隣にいてくれた彼だったが、徐に立ち上がった。つられて立つと付いて来るように言われる。
花畑の真ん中までくると恭介さんは私と向かい合うように立つ。なんだろうかと首を傾げた。
「過去も現在も含めても君に言えていなかった言葉がある」
「なあに?」
「“愛してる”、悠久の時の中で、霞が最初で最後の俺の愛する人だよ」
世界中で交わされているであろう五文字、されど私がずっと聞きたかった五文字。
「俺と結婚を前提に付き合ってください」
「……はいっ、よろしくお願いします」
恭介さんは花のようなあでやかな笑顔を見せた。命を含んだ、晴れやかな顔。
彼は私を自分の目線よりも高く抱き上げる。そして過去の私のようにくるくると花畑の真ん中で回る。
落ちないように恭介さんのがっしりとした首に腕をまわした。きゃっきゃと騒ぐ私たちは今、やっと普通の若者になれた気がした。
恭介さんはやれやれと流れる私の涙をハンカチで優しく拭き取る。
「……それ、ずっと持っててくれたんだね」
「君が贈ってくれた物だから」
ひとしきり泣いた私はやっと落ち着いた。その間ずっと隣にいてくれた彼だったが、徐に立ち上がった。つられて立つと付いて来るように言われる。
花畑の真ん中までくると恭介さんは私と向かい合うように立つ。なんだろうかと首を傾げた。
「過去も現在も含めても君に言えていなかった言葉がある」
「なあに?」
「“愛してる”、悠久の時の中で、霞が最初で最後の俺の愛する人だよ」
世界中で交わされているであろう五文字、されど私がずっと聞きたかった五文字。
「俺と結婚を前提に付き合ってください」
「……はいっ、よろしくお願いします」
恭介さんは花のようなあでやかな笑顔を見せた。命を含んだ、晴れやかな顔。
彼は私を自分の目線よりも高く抱き上げる。そして過去の私のようにくるくると花畑の真ん中で回る。
落ちないように恭介さんのがっしりとした首に腕をまわした。きゃっきゃと騒ぐ私たちは今、やっと普通の若者になれた気がした。



