《side.桜坂恭介》
秋にはギリギリ戻って来れたな。そう思いながら屋敷に向かって馬を走らせていた。
戦には大勝し、桜坂家の損害はごく小さなもので済んだ。やっとカスミと会える。そう信じてやまなかった。
屋敷の門の前がやけに騒々しい。速度を緩めて近づくと、屋敷の警護にまわっていた兵が馬から降りた俺に勢いよく頭を下げる。
門の中が見えた。そこには倒れている女が数人。彼女たちは確か……。
__カスミの女中をしていた
「カスミ様が、人質に取られました。敵は恭介様単身で来なければカスミ様を刺し殺すと」
「……どこにいる。カスミはどこにいる!!!」
聞いたことのない俺の怒号に警護兵はさらに頭を下げる。
「カスミ様が毎日通ってらっしゃった野原でございますッ」
再び馬に跨ると、腹を強く蹴った。
野原についた時には、どこからかき集めたのか数百の武装した輩たちがいた。その中心でカスミは手を拘束されて立っている。
「俺は来た。彼女を離せ」
「いくら武神と呼ばれる男でもこの数に戦後の疲弊。倒せるわけがない」
彼女の背中に男の刀が押さえられる。嫌な予感がした。腰に差したを引き抜く。
「ここにいるもの全員、お前に親兄弟を殺された奴らだ!!同じ思いをするがいい!!怒り、狂え!!!!!!」
秋にはギリギリ戻って来れたな。そう思いながら屋敷に向かって馬を走らせていた。
戦には大勝し、桜坂家の損害はごく小さなもので済んだ。やっとカスミと会える。そう信じてやまなかった。
屋敷の門の前がやけに騒々しい。速度を緩めて近づくと、屋敷の警護にまわっていた兵が馬から降りた俺に勢いよく頭を下げる。
門の中が見えた。そこには倒れている女が数人。彼女たちは確か……。
__カスミの女中をしていた
「カスミ様が、人質に取られました。敵は恭介様単身で来なければカスミ様を刺し殺すと」
「……どこにいる。カスミはどこにいる!!!」
聞いたことのない俺の怒号に警護兵はさらに頭を下げる。
「カスミ様が毎日通ってらっしゃった野原でございますッ」
再び馬に跨ると、腹を強く蹴った。
野原についた時には、どこからかき集めたのか数百の武装した輩たちがいた。その中心でカスミは手を拘束されて立っている。
「俺は来た。彼女を離せ」
「いくら武神と呼ばれる男でもこの数に戦後の疲弊。倒せるわけがない」
彼女の背中に男の刀が押さえられる。嫌な予感がした。腰に差したを引き抜く。
「ここにいるもの全員、お前に親兄弟を殺された奴らだ!!同じ思いをするがいい!!怒り、狂え!!!!!!」



