すかさず、永上くんも、
「俺、そんな理由で近づいてないし」
と、話に割って入る。
「そんな理由だったじゃん。だいたい、犬飼くん殴ったのだって、自分が好きなモデルのユウキと顔が似てて許せなかったからでしょ!? まあ、本人だけど」
「違う! ユウキより俺の方がカッコイイって思ってんのがムカついて。まあ、本人だけど……」
私と永上くんは、またジッと犬飼くんを見る。犬飼くんはハアとため息をついた。そして、永上くんに話し始めた。
「上野さんはまあ置いといて、永上くんは俺がモデルやめた理由知ってんだろ?」
「え、あ、うん。喫煙したってニュースになってたから……でも、そんなの関係なくユウキに憧れてたし……本当、一番カッケェって思ったヤツだったから……」
恥ずかしげもなく本人に愛をぶつける永上くん。聞いてるこっちがはずかしい。
「俺、ユウキは喫煙なんてしないって今でも信じてる。っつーか、信じさせてほしい……」
悔しそうに唇を噛みしめる永上くんに、私はかける言葉が見つからなかった。



