恐らく、一番敵に回したらいけない人は永上くんだ。
ここで本当のことを言ったとしたら、味方についてくれる気がするがために、
「……カッコイイもなにも、本人だよ!」
先生に黙っていてほしいと言われたにも関わらず、犬飼くんのことをさっそく永上くんにバラしてしまった。
「え?」
当然、永上くんは何を言っているんだとばかりに目を丸くさせている。そして、「いやいやいや」と全力で否定し始めた。
「一緒なわけないじゃん、読モのユウキはこんなに不愛想じゃないし、もっとかっこよくてキラキラしてるヤツなんだって」
「きっと読モのユウキはプライベートでは犬飼くんみたいに、コミュニケーション取らなかったり、少し難があるんだって!」
「んなわけない! ユウキのこと、知ったようなこと言うなよ!」
犬飼くんとクラスの子の喧嘩を止めに来たはずなのに、違うことで言い争いを始めてしまった私達。そんな私達をクラスメイトは止めにかかる。
「なんでおまえらが言い争ってんだよ!」
と、永上くんの腕を掴んでいる男子に「だって、ユウキが!」と、大声を上げた。



