「なんでも、親御さんから好きなことにしか興味を示さないと聞いていて、中学の時から友達は多いほうじゃなかったらしい」
「はあ……?」
「――内緒にしてほしいんだが、犬飼は中学の時、読者モデルをしていたらしい」
まあもちろん、名前は違うんだが、と、先生はスマホを取り出し何やら触り始めた。そして、コレ、と、私に画像を見せてきた。
そこに映っていたのは、髪色を金髪という、派手に染めている犬飼くん。加えて、両耳にはピアスを大量につけていて、目には青いカラコンをつけている。
派手だが、本当に犬飼くんなんだな、と思った。こんなにキラキラした犬飼くんが見れるなんて想像もしていなかったし、とてつもなくかっこよく見えた。
「――で、先生は犬飼くんのクセはどこだと言ってるんですか?」
「ああ、だから、好きなことしか興味がないから、クラスにも馴染めないんだろう」
先生の意見を聞きながらデジャヴのようなものを感じた。



