新海くんの言葉に影響されてお弁当を作ってきたなんて知られたら、わたしの気持ちなんてバレバレなんじゃないか。
そう思ったけど、新海くんがそこまで深読みしてる感じはない。
「冷凍食品のおかず、いいよな。種類豊富で、美味しくて便利で。おれも最初の頃は、ほとんど冷凍のおかずに頼ってたよ」
にこにこ笑いながらそう言うと、膝の上に置いたお弁当箱の蓋を開けていた。
二段式のお弁当箱の上段に入っているおかずは、つやつやした黄色の卵焼き、いい感じに焦げ目のついた焼き鮭、ウィンナー、春巻き、ブロッコリーとニンジンの蒸し野菜。下段には胡麻をふって、梅干しをのせた白ごはん。
今日の新海くんのお弁当箱の中には、わりとベーシックなおかずが中心に詰められている。ベーシックだからこそ、すごく美味しそう。
「春巻きは、新海くんとおそろいだ」
自分でお弁当箱に詰めた春巻きを箸でつまんで見せると、新海くんが顔をあげる。
「ほんとだ。気が合うな」
新海くんが不意打ちでにこっと笑いかけてくるから、あやうく春巻きが落っことしそうになった。
慌てて下からキャッチするように齧り付くと、新海くんに笑われて、かなり恥ずかしかった。
「新海くんの春巻きも、冷凍のやつ?」
電子レンジで温めただけの春巻きは、揚げたてとは違って皮がふにゃふにゃしてるけど、中に入っている具は美味しい。
「ううん。これはおれが作ったやつ」
口をモゴモゴさせながら訊ねるわたしに、新海くんがお弁当箱の中の春巻きを半分に割って見せてきた。



