「あんまりジロジロ見ないでね。恥ずかしいから」
手作りメインの新海くんのお弁当に敵わないことはわかっているから、最初にひとこと断ってお弁当箱のふたを開ける。
お弁当にいれたおかずは、冷凍食品のオムレツ、春巻き、エビの焼売、ひじきのおかず。それから、彩り用のミニトマト。
朝、キッチンでおかずを詰めていたときは、なかなか見栄え良く仕上がったなと思ったけど。どうだろう。
ちらっと横目に見ると、新海くんと目が合った。
「おお、美味そう」
手作りなんてひとつもない冷凍のおかずを詰めただけのお弁当だけど、新海くんに褒めてもらえて嬉しくなる。
「そうかな……」
「上出来じゃん。けど、どうして急に弁当作ろうって気になったの? 早起きも料理も苦手だからって、自分で作るのは面倒くさそうにしてたのに」
「そうなんだけどね。週末にスーパーに行ったときに冷凍コーナーを覗いたら、新海くんが言ってたとおり、たくさんお弁当用のおかずがあったから。チンして詰めるだけなら、わたしにもできるかなーって」
「スーパーで、おれが言ったこと思い出してくれたんだ?」
「新海くんのこと思い出したっていうか。うん、まあ、そうだね……」
ニヤリと笑みを浮かべる新海くんを前に、顔を赤くして口ごもる。



