もしかして、新海くんの背中を追いながらニヤけてたこともバレてたりして。おでこに手をあてたまま視線を泳がせていると、新海くんが不思議そうに首を傾げる。
「なにか急ぎの用でもあった?」
ニヤけながらあとをつけていたことはバレていないみたいだけど、新海くんの推察力は結構するどい。
「急ぎの用ってわけではないんだけど……、少しでも早く新海くんと話したくて」
「え?」
わたしの言葉に、新海くんがきょとんとした顔でまばたきをする。
「あー、えっとね。実は今日、初めて自分でお弁当作ってみたんだ。って言っても、ごはん以外は全部チンして詰めただけなんだけど」
持っていたミニトートを主張するように前に突き出すと、新海くんがにこっと笑ってくれた。
「へえ、いいね。とりあえず花壇に座る?」
中庭の隅を指差す新海くんに向かって、こくこくと頷く。
先に歩き出した新海くんのあとをついて行くと、わたし達はいつものように並んで花壇に腰かけた。
ミニトートを膝にのせてお弁当を包んだナプキンの結び目を解いていると、新海くんがわたしの手元を興味津々で覗き込んできた。



