昼休みまで、あと十五分。

 英語の授業をうわの空で聞きながら、わたしは黒板の上の掛け時計に視線を向けた。

 四時間目の授業が始まってから、もう何度時計を見たかわからない。

 お腹が空き始める四時間目は、いつも最後まであまり集中力が続かないのだけど。今日のわたしは、授業のしょっぱなからそわそわとしていた。

 気持ちが落ち着かないのは、今日が火曜日だから。それと、昼休みに新海くんに見てほしいものがあるからだ。

 掛け時計から右斜め前の席に座る新海くんのほうに視線を向ける。

 そわそわして、ノートもまともに写してないわたしと違って、新海くんは真面目に授業を聞きながら手元のノートにシャーペンを走らせていた。

 わたしの席からも、唇を結んで真剣な目をした新海くんの横顔が見えて。少しドキッとする。