写真に写っていた綺麗な女の人が、新海くんのカノジョじゃなくてよかった。
そんなふうに思うのってもしかして……。
新海くんに笑いかけられて心音が速くなるのも、新海くんと手が触れてドキドキしたのも、さーちゃんが新海くんのカノジョかもしれないと疑って胸がズキズキしたのも。
全部、あるひとつの答えに結びつくようなが気がして、胸がざわざわする。
落ち着かない気持ちでうどんをすすっていると、先にお弁当を完食した新海くんが立ち上がった。
「じゃあ、おれは先に行くね」
どちらかが昼ごはんを食べ終わったら、流れ解散。それが、わたし達が中庭で一緒に昼休みを過ごすときのルールだ。
「あ、うん……」
自覚しかけている気持ちに戸惑いながら顔をあげると、新海くんが普段と変わらない調子でにこっと笑いかけてくる。
「また、火曜日に」
新海くんがわたしのことをどう思っているかはわからないけど、あたりまえみたいにそう言ってくれたことが嬉しかった。
「うん、火曜日に」
胸をドキドキさせながら、新海くんの言葉をなぞるように繰り返す。
教室では毎日のように新海くんに会えるけど、わたしが彼に話しかけられることがてきるのは次の火曜日。
少しずつ遠くなっていく金髪の背中に手を振りながら、次の火曜日が待ち遠しくて仕方なかった。



