初恋ランチタイム


 困って眉尻を下げると、新海くんがにこっと呑気に笑いかけてきた。

「うん。前に話した美容師やってる従姉」

「え、従姉?」

「そうだよ」

「入学式の前に、新海くんを金髪にした?」

「そうそう。従姉なんだけど、三人並んだらきょうだいみたいだって親戚によく言われる」

 たしかによく見たら、従姉のさーちゃんの目元は涼やかで、新海くんや涼音ちゃんと似ている気がする。

 だから新海くんは、これを見せて《家族写真みたい》って言ったんだ。

 そのことに気付くと、ほっとして肩から力が抜けた。

「なんだ、よかった……」

「なにが?」

 息を吐くようにつぶやくと、新海くんが不思議そうに目を瞬かせた。

 思わずこぼれた言葉に自分でもびっくりして、口元に手をあてる。

「ううん、なんでもない」

 慌てて首を横に振ったけど、勝手に火照ってくる頬が熱くて。うまくごまかせたかどうか、わからない。
 
 動揺はなかなか治らなくて……。

 わたしは持ってきた冷やしうどんの残りを箸でぐるぐるとかき混ぜた。