「これがマシかな……」
しばらくスマホの画面を指でスクロールしたあと、新海くんが選んだ写真をわたしに見せてきた。
画面の中の小さな女の子は、幼稚園の制服らしき白のブラウスと紺のプリーツスカートを着ていて。こっちに向かってブイサインを向けながら、べぇーっと舌を出している。
元気で活発そうな印象の子だ。わざと細められた目元が、新海くんと似ている気がする。
「わー、かわいいね。わたしはひとりっ子だから、幼稚園の妹ってうらやましい。名前、なんていうの?」
「涼音」
「名前もかわいい!」
「かわいいのはかわいいけど。最近は幼稚園でいろんな言葉覚えてきて、すげー生意気だよ」
新海くんが顔をしかめながらそう言って、スマホの画像を横にスクロールする。
「あ、こっちの写真のほうが顔がわかりやすいかな……」
「どれ?」
新海くんのスマホを覗き込むように身を乗り出す。
だけど、そこに表示された写真を見た瞬間、わたしの胸にズキリと鈍い衝撃が走った。
見せられた写真には、妹の涼音ちゃん以外に、新海くんと綺麗な女の人が写っていたのだ。
その綺麗な女の人は、新海くんの肩に手を回してぎゅっと自分のほうに抱き寄せるようにしている。
年齢は、たぶんわたし達より少し上。最近の写真みたいだけど……。
もしかして、新海くんのカノジョかな。



