初恋ランチタイム


「気にせず遠慮なく食べて。なんか、中村さんの食べてるところを見てたら妹のこと思い出しちゃって」

「妹?」

「うん。うちの妹も、このからあげ作ったら『めっちゃおいしい』ってたくさん食べるから」

 妹のことを話す新海くんは、お兄さんらしい、とても優しい顔つきをしていた。

「こんなにおいしい料理を作れるお兄ちゃんがいたら、妹も嬉しいだろうね」

「どうだろう。まだ幼稚園だし、好き嫌いもあるから、なんでも喜んで食べるわけじゃないんだよね。好き嫌い克服させようと思って、たまに夜ごはんに妹の嫌いな野菜を出すんだけど、そうしたら『お兄ちゃん、だいっきらい』とか言われて、すげー悲しくなるよ」

 新海くんが眉尻を下げて、苦笑いする。

 中学生男子のくせに、新海くんの子育て中のお母さんみたいなことを言う。

「そうなんだ。好き嫌いを克服させるとか、大変そう……」

「その点、ニコちゃんはなんでも美味そうに食べるから、見てて気持ちがいいかも」

 妹の好き嫌いについては悩ましげだった新海くんが、わたしの顔を見てククッと笑った。