「麺がくっついても、つゆとかタレでなんとかなるなら、冷やし中華とかも持って来れそうだよな」
「冷やし中華、いいね。わたしの分もリクエスト」
「え、なんで。たまには自分で作ってみれば?」
わたしがハイッと元気よく手を挙げると、新海くんが苦笑いした。
「自分で、かあ。でもわたし、卵焼きもまともに焼けないんだよ。それに、朝はいつもバタバタしちゃうし……」
早起きも苦手なんだよなー。と、それは口には出さずに心の中だけでつぶやく。
「おれも、毎朝全部作ってるわけじゃないよ。弁当に入れるおかずは、妹が好きな冷凍食品のおかずも結構使ってる。このパスタもそうだし」
新海くんが、ポテトサラダの横に添えられたケチャップベースのパスタを指差す。
「そうなんだ」
新海くんが指差したパスタは、言われなければ手作りに見える。
「そうだよ。今日の朝作ったのは卵焼きだけかも」
「ふーん」
冷凍食品のおかずを詰めるなら、料理センスのないわたしでもできるかな。
冷やしうどんにも、コンビニのおにぎりやサンドイッチにも最近飽きてきたし。
箸でぐるぐる冷やしうどんを混ぜながら、新海くんのお弁当箱を横目に観察する。



