ちなみに、私の今日のランチは冷やしうどん。
うどんを入れた丸いタッパーには、刻みネギとかまぼこが一緒に入っていて。スープジャーに入れて持ってきたつゆを、食べる直前にかける。
五月のゴールデンウィークが過ぎてから九月末くらいまで、冷やしうどんは、我が家のお弁当の定番メニューだ。
お母さんは「暑いときの冷やしうどん、さっぱりしていいでしょ」と言うけれど、夏のお弁当の冷やしうどん率が上がるのは、単純に準備がラクだからだと思う。
うどんは嫌いじゃないけど、実はわたしは二日前のお昼も冷やしうどんを持たされていて。
あまり間隔を空けずにうどんが続くと、その素朴過ぎる味にちょっと飽きる。
作ってもらっている身で文句は言えないけど……。
薄ピンクのスープジャーの蓋を開けて、タッパーのうどんにつゆを注いでいると、新海くんがその様子を横から覗き込んできた。
「うどんって、時間経ったらくっつかない?」
「くっつくけど、つゆ入れて箸でほぐせばあんまり気にならないよ」
「そっか。これから、おれも冷やしうどんを弁当のレパートリーに加えよっかな」
つゆを入れたうどんを箸でぐるぐるほぐすように掻き回すわたしの隣で、新海くんが小さくつぶやいている。
わたしのお母さんの、手抜き簡単弁当《夏限定バージョン》が役立ったならなによりだ。



