鮭フレークのかかった白ごはん、ほうれん草の入った卵焼き、からあげにポテトサラダ。

 そこにケチャップベースのパスタがちょこっと添えられていて。

 おかずのあいだからちらっと覗いている仕切りのレタスと隙間を埋めるように入っているミニトマトが、ちょっとした彩りになっている。

 新海くんと中庭で一緒にお弁当を食べるようになって、二週目の金曜日。新海くんのお弁当は、今日もめちゃくちゃ美味しそう。

「いただきまーす」

 少し遅れて中庭にやってきたわたしが花壇のレンガに座るのを待ってから、新海くんが軽く両手を合わせて箸をつかむ。

 大きめのからあげがひとつ、新海くんの口に運ばれていく様子をじっと見つめてから、わたしも膝の上にミニトートバックの中から今日の昼ごはんを取り出した。

「あれ。ニコちゃん、今日はコンビニランチじゃないんだ?」

 ミニトートの中から、蓋の青い丸型のタッパーと薄ピンクのスープジャーを出したわたしを見て、新海くんが物珍しげに目を瞬く。

「うん、今日はいちおう、お母さんのお弁当」

 わたしのお昼ごはんは、週二か週三でコンビニのおにぎりやサンドイッチ、買い置きのパンだったりするんだけど。お母さんが仕事が休みの日や出勤が夕方からの日は、今日みたいにお弁当を持たせてくれる。

 それが、新海くんと一緒にお昼を食べる日と重なったのは初めてだ。