もし気が付いていたとしても、新海くんはわたしと目を合わせようとはしないだろう。そのほうが、わたしのためになると思ってるから。

『火曜日と金曜日。新海くんの妹がお弁当の日に、わたしもここで一緒にお昼ごはんを食べてもいい?』

 新海くんは、中庭でのわたしの提案を受け入れる代わりにひとつ条件を付けてきた。

『いいけど、おれたちが話すのは中庭だけにしよう。ここ以外……、特に教室では、絶対話しかけないで。そのほうが、ニコちゃんにとってもいいと思う』

 提案を受け入れてもらえて嬉しかったけど、新海くんが出してきた条件に、少しだけ胸がチクリとした。