「ウワサとか、どうでもいいよ」
わたしがそう言うと、新海くんが「え」と口を開いて固まった。
だって、わたしがこれまで聞いてきたウワサは全部ウソなんだもん。
新海くんは学校始まって以来の不良なんかじゃないし、話しやすくて一緒にいて楽しい。
笑った顔は優しいし、恥ずかしがる顔も年相応の男の子って感じだし。
何より、新海くんの作るお弁当はおいしい。
だからわたしはやっぱり、新海くんと仲良くなりたい。
新海くんも、同じように思ってくれていたらいいな。そう思ったから、提案をしてみた。
「火曜日と金曜日。新海くんの妹がお弁当の日に、わたしもここで一緒にお昼ごはんを食べてもいい?」
「……、え?」
新海くんが、ぽかんと口を開けて、目をまん丸くする。
言葉を失うくらい驚いている新海くんは、ずいぶんとおもしろい顔をしていた。



