「ありがとう。節約のために普段は買わないけど、コンビニのおにぎりとかサンドイッチもいいよな」
手に取ったカツサンドを、一口で一気に半分食べた新海くんが、ちょっと嬉しそうな声でつぶやく。
「それ、カノンとアキナも言うよ。わたしがコンビニのおにぎりとかサンドイッチ食べてると『いいなー』って」
コンビニのごはんもおいしいけど、それに慣れてるわたしには、手作りのお弁当のほうがうらやましい。
ないものねだりなんだろうけど、自分と違うものって、少しトクベツに思えるから。
「そういえばニコちゃん。こんなこと聞くのも今さらだけど、こんなところでおれと一緒にいて平気?」
おすそ分けしたカツサンドを豪快に三口で食べた新海くんが、手の甲で軽く口を拭う。
「ここはめったに人来ないけど、それでも絶対に誰も来ない安全地帯ってわけでもないから。もしおれと一緒にいるところを誰かに見られたら、ヘンなウワサたてられるかもよ」
新海くんは、勝手におヒレがついて学校中に広がってしまった自分のワルいウワサのことを気にしているのだろうけど。
わたしは正直、この二日間で、みんなが勝手に言っている新海くんのワルいウワサなんてどうでもよくなっていた。



