「新海くん、カツサンド好きなの?」
新海くんがやけに熱心に見つめてくるから気になって訊ねたら、彼がハッとしたようにわたしから顔をそらす。
「べ、別に」
恥ずかしそうに足元に視線を落とす新海くんの耳たぶはじんわりと赤くなっていて。ちょっとかわいい。
「なんだ。新海くんだって、思ってることがすぐに顔に出ちゃうタイプじゃん」
「そんなことないよ!」
アハハッと笑うわたしの言葉を、新海くんが少し不機嫌な声で否定する。
「いいじゃん。顔に出たって。よかったら、どうぞ」
不機嫌な顔で下を向いている新海くんにカツサンドをビニールの包みごと差し出すと、彼がチラリと上目遣いにわたしを見てきた。
「いいの?」
「もちろん、いいよ。おにぎりと卵焼きのお返し」
にこっと笑いかけると、新海くんが唇をぎゅっと引き結んだ強張った顔で、ビニールの包みからカツサンドをひとつ取った。



