「朝からお味噌汁作って飲めるなんて、優雅だね。うちはお母さんが先に仕事に出てることも多いから、毎朝トーストに牛乳だよ」
「おれの家も、週に半分以上はトーストと牛乳だよ。今日は妹の幼稚園が給食の日だったから、朝に余裕があっただけ」
ため息を吐くわたしに、新海くんが少し苦笑いする。
「昨日みたいにちゃんと弁当作ってるのは、妹がお弁当がいる火曜と金曜だけだよ。それ以外の日は、おにぎりと朝ごはん用に作った味噌汁がおれの昼ごはん」
そう言うと、新海くんはスープジャーの蓋を閉めた。
新海くんはおにぎりとお味噌汁を手抜きみたいに言うけど、コンビニのカツサンドを持ってきているわたしからしてみれば、充分に豪華で贅沢なお昼ごはんだ。
できたら、丸ごと変えてほしいくらい。
わたしは新海くんからもらったおにぎりを全部大切にいただくと、持参したカツサンドのビニールをゆっくりと剥いた。
ひとつ摘まんで口に運ぼうとすると、横顔に視線を感じる。気になって振り向くと、新海くんがおにぎりを齧りながらわたしの手元のカツサンドをじっと見ていた。



