「に、新海くん。こんにちは。今日もいい天気だねー。太陽ピカピカ、ピクニック日和〜」
わたしは桜の木の陰からぴょこんと跳び出ると、新海くんにコンビニのサンドイッチを見せた。
ついでに、にこっと愛想笑いをしてみせたら、新海くんが眉をしかめて変な顔になる。
「そう? 昨日は天気よかったけど、今日はそうでもなくない? 太陽も雲に隠れてるし」
不審げな新海くんに言われるままに空を見上げると、たしかに太陽の姿は見当たらない。
昨日の好天が嘘みたいに、今日の空は全体的に灰色の雲に覆われている。
「ほ、ほんとだ。おかしいなあ。わたしが見たときは、太陽ピカピカだったんだけど。もしかして、わたしの頭上だけ晴れてたのかも」
ハハッと誤魔化すように笑うと、新海くんが一瞬きょとんとした顔をして、それからプッと吹き出した。
「たしかに、ニコちゃんって晴れのイメージ強いよな。ニコって名前も明るい感じだし」
新海くんがわたしにどんなイメージを持ってくれているのかはよくわからないけど、彼の楽しそうに笑う顔を見たら少しだけ胸がドキドキした。



