「ううん。性格悪いよ。わたしね、新海くんがひとりでいるときは、みんなにほんとうの新海くんのことをちゃんとわかってほしいと思ってたの。それなのに、みんながほんとうの新海くんのこと知って近付いてくるのを見てたら、淋しくて。なんか嫌で……。先に新海くんのことをちゃんと知ってたのはわたしなのに、大事なものをとられたみたいな気持ちになってる。わたし、わたし……」
泣きそうになりながら言葉を紡いていると、新海くんの手のひらがそっとわたしの口を塞いだ。
「うん。おれも好き」
うつむいたわたしの耳に、少し掠れた新海くんの優しい声が届いた。
《も》ってなに?
わたし、まだ何も言ってないよ。
涙目で見上げたわたしに、新海くんがふわっと笑いかけてくる。
初めて話した日。わたしの中の彼の印象を一八〇どひっくり返したときと変わらない、優しい表情で。



