「作ってるって言っても、卵焼きだけであとはほとんど冷凍のおかずだよ。でも、卵焼きはだいぶうまく焼けるようになった。今日のお弁当、教室に置いてきちゃったから見せられないけど……」
そういえば新海くんに引っぱられるままに中庭に来ちゃったから、お弁当箱を机に放置したままだ。
持ってきていれば、少しは上達した卵焼きを新海くんにも食べてもらえたかな……。
「また食べさせてよ。ニコちゃんの卵焼き」
卵焼きのことん考えていたタイミングで、新海くんにそう言われてびっくりする。
「いいけど……。新海くんの卵焼きに比べたら全然だよ?」
「そう? 前にニコちゃんが作った卵焼きも充分美味しかったけど」
わたしの謙遜の言葉を、新海くんが笑顔で否定するからちょっと恥ずかしい。



