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十月に入って二週目の火曜日。
昼休みに中庭に行く習慣なんてすっかりなくなってしまったわたしが、お弁当箱を持ってカノンとアキナのところに移動しようとしていると、新海くんが早足で近付いてきた。
「ニコちゃん」
新海くんから名前を呼ばれて、心臓がドクンと跳ねる。
新海くんに直接声をかけられるのは数ヶ月ぶりだ。
急にどうしたんだろう。
ひさしぶりに近付いた距離にドキドキしていると、新海くんが少し躊躇いがちに某コーヒー店の茶色の紙袋を差し出してきた。
「あの、さ。もしよかったらなんだけど、ひさしぶりに中庭で一緒に食べない? サンドイッチ、多めにできたから」
「サンドイッチ……」
最近はいつも野田くん達と一緒にいる新海くんが、どうして突然わたしに声をかけてきたのかはわからない。
中庭とサンドイッチという、魅惑的な誘い文句にわたしの心音はドキドキと高鳴っていた。
「いいの?」



