「ニコちゃん、あのさ——」
「なあ、なあ、新海くん。試食のときに、新海くんのレストラン級に美味そうなオムライスとおれのオムライス交換して」
新海くんがなにか言いかけたとき、テーブルにスプーンを並べ終えた野田くんが、わたし達のあいだに割り込んでくる。
「え? 交換?」
「野田くん、自分だけ新海くんのと交換ってズルくない?」
「え、そう?」
他のメンバーから抗議を受けた野田くんが、新海くんの肩になれなれしく腕をのせる。
「じゃあ、せめてひとくちわけて」
そう言って野田くんが新海くんのことを連れて行ってしまうから、話の続きが聞けなかった。
新海くん、なにを言おうとしていたんだろう。
気になるけど、新海くんの隣は既に野田くんががっちりとキープしていて。その向かいには班の他の女子メンバーが座っていて。
今さら、わたしが近付いていける雰囲気でもない。



