「もしかして、新海くんのこと気になってる?」
「な、何急に……」
カノンの言葉に動揺しまくったわたしは、鍋のスープをお玉でぐるぐると高速でかき回した。
「やっぱり、気になってるんだ。いちおう指摘しとくけど、『新海くんにも何か仕事を頼まない?』って提案してきたときのニコちゃん、めちゃくちゃ空気読めない感じで不自然だったよ」
「え……」
そ、そうなの……?
すごく勇気を出して提案したのに、空気読めないやつになってたなんて。ちょっとショック。
「でも、ニコちゃんが新海くんのこと気にしてる理由って、新海くんがクラスからはみ出てるからとか、ウワサのせいじゃないよね?」
肩を落としてうつむいていると、カノンが確かめるようにそう言った。
「ニコちゃんのそれって、どう見てもレンアイ感情だよね」
「えっ……」
低い声でかなり断定的に訊ねられて、心臓がドクンと跳ねる。



