調理実習の課題はオムライス。チキンライスをグループみんなで協力して作って、それを包む卵はひとりひとりがフライパンで焼く。
その工程を先生がチェックし、一学期の家庭科の実技点をつけるらしい。
卵を焦がさないように薄く焼くのも難しそうだし、それを破かずにチキンライスで包むのも難しそう。
でも、新海くんだったら難なくできちゃうのかな……。
調理実習の段取りが書かれた紙に視線を落とす新海くんは無表情で、何を考えているかわからない。
新海くんの横顔を見つめていると、また前の席の子からプリントが回ってきた。それを受け取ると、自分の分を一枚とって後ろの席の子に回す。
「これが、調理実習の班分けです。出席番号順に五〜六人のグループを作ったので確認しておいてください」
先生の話を聞きながら何気なくプリントに目を向けた瞬間、ドキッとする。
出席番号が近いから当然なのだけど、わたしは新海くんと同じ班だった。
それから、同じくわたし達と出席番号が近いカノンも。



