「毎日ここで食べてる理由って、カノジョの手作り弁当を見られたくないから?」
新海くんのことはずっと怖い人だと思ってたけど、実は結構美形だし。
カノジョのひとりやふたりいたっておかしくない。この学校の人かな。
同学年? 先輩? それとも、他校の子?
首を傾げながら訊ねると、新海くんが「あー、いや……」と言葉を濁して苦笑いする。
「この弁当、カノジョとかじゃなくて、おれが作った」
「え! 新海くんが自分で作ったの!?」
思わず大きな声をあげると、新海くんが驚いたように身を引いた。
おかずの品数が多いし、おかずの詰め方もセンスが良くてバランスがいいから、てっきりお料理上手な女の子が作ったのかと思ったのに。
金髪で怖そうなイメージしかなかった新海くんが、ほんとうは優しく笑う人で、しかもお弁当まで作れるなんて……。
見た目とのギャップがさらに広がって、混乱する。



