【もう、一緒に食べるのはやめよう】

 新海くんからラインにメッセージが届いたのが、三日前の火曜日。それ以来、わたしはずっと胸がヒリヒリしていて落ち着かない。

 火曜日の昼休みにカノンとアキナに新海くんと一緒にいるところを見られて以来、ふたりはわたしを監視するように一日中べったりとそばにいるし。

 教室では人を寄せ付けないような威圧感を放っている新海くんとは目も合わない。

 わたしから送ったラインのメッセージは、火曜日の夕方以降は既読スルー。

【昼休み、待ってるね】 

 今朝家を出る前にわたしからメッセージを送っておいたけど、それに対しても返信はない。

 少し待てば、来てくれるよね……?

 不安な面持ちで、膝の上に置いたミニトートに視線を落とす。その中に入っているのは、普段わたしが使っているものよりもひと回り大きめサイズの二段式のお弁当箱。

 いつもの朝より二時間も早起きして作ったお弁当は、もちろん自分用じゃない。

「お弁当交換しよう」と約束した新海くんのために作ったものだ。

 火曜日にその約束をしたとき、新海くんは「全部冷凍のおかずでもいい」と言ってくれたけど、卵焼きだけでも自分で作りたくてお母さんにお願いして少しだけ協力してもらった。