「だから、違うってば」
「とにかく、もう新海くんと一緒に昼ごはんを食べるのはやめなよ。今回は一緒にいるところを見たのがわたしとアキナだったからよかったけど、もし他の人だったら、ニコちゃんにも悪いウワサがたってたかもよ」
「悪いウワサ?」
「ニコちゃんも、新海くんの不良仲間だとかそういうの」
「だから、新海くんは怖い人じゃないって言ってるじゃん」
「わかってるよ。ニコちゃんは新海くんに騙されてるだけだもんね」
「違う……」
必死になって否定しても、カノンとアキナはわたしに同情の目を向けるだけ。
どれだけ説明してもわたしの話を《ちゃんと聞いてくれない》ふたりに、最後は嫌気がさしてため息が出た。



