「ん?」
無言の合図に振り向くと、カノンの綺麗なアーモンドアイがわたしの目をじっと覗き込んでくる。
「ニコちゃんさー、最近よく、新海くんのこと見てるよね?」
かなり断定的に訊ねられて、うまく動揺を隠せなかった。
「そ、そんなことないよ」
「そんなことあるよ。わたし、そういうの結構気づくタイプ」
「なになに? ニコちゃんが誰をよく見てるって?」
真っ直ぐに見つめ合うわたしとカノンの横から、話をあまり聞いていなかったらしいアキナが口を挟んでくる。
「新海くんだよ」
カノンが声のトーンをさげる。
何も考えてないようなノリで口を挟んできたアキナも、「新海くん」の名前を聞くと、少し微妙そうに顔をしかめた。



