病院はいつも忙しい。患者が入れ替わり立ち替わり、看護師や医師、薬剤師や看護助手は立ち止まる暇もなく働かなければならない。

「ハァ〜、疲れた!」

食堂にてヨハンが机に突っ伏する。二時過ぎにようやく桜士と一花、そしてヨハンは休憩に入ることができた。

「お腹空きましたね〜」

一花はそう言いながら、お腹に触れる。三人は今、椅子に座って頼んだ料理ができるのを待っている。少し時間がかかるだろう。

その時、ピコンと通知音が響く。一花のポケットに入れられたスマホからだ。一花はスマホを取り出し、頰を緩ませる。

「千春ちゃんからです」

千春とは、先日急性虫垂炎でパーティー中に倒れたいじめっ子だ。一花は彼女にいじめられていたことがあったというのに、彼女を名前で呼んで嬉しそうにしている。

「あいつと友達になったのか?」

ヨハンが訊ね、一花は嬉しそうに笑いながら画面を見せる。そこには、遊園地を楽しむ一花と千春、そして三人の取り巻きたちの写真がたくさん送られてきていた。