Cherry Blossoms〜感情より大切なもの〜

その後も、車の中は学校の話で盛り上がりながらホールへと到着する。桜士は車を駐車場に止めた後、助手席のドアを開けて一花に手を差し出す。

「どうぞ、四月一日先生」

「ありがとうございます、本田先生」

触れた手の温もりに胸を高鳴らせつつ、桜士と一花はホールの中へと入り、受け付けを済ませた。

ところで、疑問に感じた人もいるだろう。何故一花と同級生でもない桜士が、彼女についてきているのか。それは、eagleのヨハン以外に頼まれたからである。

『あいつら、一花だけだったらきっと何か嫌がらせを仕掛けてくるに違いないわ！だから誰かがナイトとして一花と一緒にパーティーに行くべきじゃない？』

アルオチがそう提案すると、オリバーが『なら、一花と同じ日本人の本田先生の方がいいんじゃない？』と言い、ヨハンが『断固として反対する！！』とすぐに言ったものの、桜士が行くことが決定されたのである。

（四月一日先生のこんな姿を見られるのはなら、ナイトとして選ばれたことが嬉しいな）