あの後、フードコートで食事をしながら、桜士に一花はポツポツと日本の小学校での思い出を話してくれた。

一花は幼い頃から頭がよく、小学校に入学した時点で中学生の授業内容を、小学校中学年になる頃には高校生の授業内容を理解することができ、本屋で参考書を買っては問題を解くのが当時の好きなことの一つだったそうだ。

そんな一花は当然学年一、いや校内一勉強ができた。そんな一花を妬んだのがあの四人で、理科の実験中にわざとお湯をかけようとしたり、ランドセルを捨てられたり、読んでいる本を破かれたり、嫌がらせをされていたらしい。

「一花、そんな人が招待したパーティーなんて行かなくていいんだよ」

暗い顔で俯く一花に、クラウディオが優しく声をかける。ナタリアも「そうよ」と頷いた。

「きっとそのパーティーでも、一花に何か酷いことをするに決まってるわ」

他のメンバーたちも、「やめておいた方がいい」と言う。桜士もみんなと同じ意見だった。あの四人の態度からして、何もないわけがない。