「私が、本田先生に見惚れてしまったから……」
一花のその言葉に、桜士が必死に引っ込めていた熱がまた顔に戻ってくる。頰が赤くなり、一花に何か言おうとしたものの、言葉が出て来なかった。
その後、コーヒーが運ばれてくるまで、二人の間に会話はなかった。部屋に名前の知らない曲がただ流れている。だが、決して気まずいと桜士は思わなかった。そう思えるのは、相手がきっと一花だからだろう。
「お待たせ致しました、ブレンドコーヒーになります」
店員が二人の前にコーヒーを置く。桜士はコーヒーには何も入れない。だが、一花は砂糖とミルクを少し多めに入れていた。ミルクや砂糖を入れて湯気の立っているコーヒーをかき混ぜる、その仕草だけでも桜士は見惚れてしまった。
「いただきます」
そう言い、二人はコーヒーに口をつける。そして同時に「おいしい」と言い、言葉がハモったことに笑い合う。
「ここのコーヒー、来た瞬間に香りがいいと思っていましたが、こんなにおいしいとは思いませんでした」
一花のその言葉に、桜士が必死に引っ込めていた熱がまた顔に戻ってくる。頰が赤くなり、一花に何か言おうとしたものの、言葉が出て来なかった。
その後、コーヒーが運ばれてくるまで、二人の間に会話はなかった。部屋に名前の知らない曲がただ流れている。だが、決して気まずいと桜士は思わなかった。そう思えるのは、相手がきっと一花だからだろう。
「お待たせ致しました、ブレンドコーヒーになります」
店員が二人の前にコーヒーを置く。桜士はコーヒーには何も入れない。だが、一花は砂糖とミルクを少し多めに入れていた。ミルクや砂糖を入れて湯気の立っているコーヒーをかき混ぜる、その仕草だけでも桜士は見惚れてしまった。
「いただきます」
そう言い、二人はコーヒーに口をつける。そして同時に「おいしい」と言い、言葉がハモったことに笑い合う。
「ここのコーヒー、来た瞬間に香りがいいと思っていましたが、こんなにおいしいとは思いませんでした」


