「なるべく怪しい発言をする者には近づかず、何か不審な動きをする人がいたらすぐに俺に相談、情報提供をお願いしたい。噂でもなんでもいいんです。そういう奴らは早く潰しておきたいので」
「気にしておきますけど…そう簡単にわかるものですか…?」
思ったことを正直に聞いてみる。
私は頭がいいほうじゃないから、見分け方とかもわからないし…。
なんか悪いなぁ…って思っちゃうから。
こんなことを紫呉さんたちの前で言うのはあれだけど…やっぱり、人を疑うのは嫌だもん。
「…ゼラニウム」
紫呉さんが呟やいたのは、花の名前。
「ゼラニウムの香水を纏っている…と、そう言っていました」
「ゼラニウムの香水…って、どんな匂いがするんでしょうか?」
「たしか、甘い香りがしたはずですよ。バラに近い感じの柑橘系の香りです」



