聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい


「端的に言えば、悪さをしようとする組を弾圧しているんです。多少手荒にはなりますが、この地区に立ち入れなくなるよりマシでしょう」



「なるほど…ようやくわかった気がします」



ノヴァが有名なのはとても強いから。



他のグループの名前よりもよく聞くのは、ただそれだけの理由だと思っていた。



けど、実際は違って。



もちろん、どの組にも負けないくらい強いのだろう。



でも…それ以上に、私たちの生活が“普通”であるようにしてくれていた。



悪さをするためじゃなく、悪さをしようとする人達から守るために。



私が知っている暴走族とは全然違うし、驚いたけど…。



「…ありがとうございます。今の今まで、知りませんでした」



ただ言えるのは、これだけだ。



きっと今まで、たくさん大変な思いをしてきたのだろう。



それこそ私には計り知れないくらい。



だから、知ったような口ぶりはしてはいけないと思った。