「たまに突拍子もないことを言って、周囲を笑わしてしまう。可愛くて面白くて…自慢の彼女です」
「っ…!!」
突拍子もないのは一体どっちですか。
あんなに真剣な話をしていたのが嘘のよう。
紫呉さんから聞く「彼女」というワードは、かなりくるものがある。
「そんな可愛い貴方だからこそ、この手で守りたい。そう思えるんです」
っ…本当にこの人は、私をどこまで甘やかしたら気が済むの?
本心で言っているのかさえわからないようなセリフも、紫呉さんが言うと本当なんじゃないかなって思わされるから、怖い。
自分がお姫さまにでもなったみたいな錯覚に陥ってしまう。
「っ…もういいですから。話の続きをしてください…っ!」
さすがに耐えられなくなって催促すると。
「また脱線してましたね…すみません」
って素直に謝ってくれた。



