聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい


斗真さんに至っては、顔を背けて体を揺らしている。



「っ…あはは…!翠、なにちょっとキレてるんですか…っ!」



耐えきれないとでも言いたげな顔で吹き出した紫呉さんに、私は目が点になった。



「へっ……?」



な、なんで紫呉さん笑って……?



紫呉さんの笑い声を聞いて、キョトンとする私。



でも、それよりなにより…紫呉さんの無邪気な笑顔が可愛くて、母性本能というものをくすぐられてしまう。



紫呉さんって、こんな笑い方するんだ…。



新しいことの発見ばかりで、今日はいっぱい得している気がする。



そう思うだけでなんだか嬉しい。



「っはぁ…本当、翠は面白いですね」



目尻に溜まった涙を指で拭いながら、紫呉さんは私に微笑む。



「お、面白い…ですか?」



わけがわからなくて聞き返すと、「はい」と首を縦に振った。