聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい


紫呉さんから放たれる無数の甘い言葉が、全て胸の奥に突き刺さる。



斗真さんもいるのに、なんでそんなこと言えるんだろうっ…?



私本当に、紫呉さんに彼女になって大丈夫…?



このまま過ごしていたら紫呉さんの甘さでいつか溶かされてしまう気がして、不安になってきた。



「…おーい、俺がいるの忘れてない?」



斗真さんの呆れた声が聞こえて我に返る。



忘れたわけではなかったけど、今完全に紫呉さんと私の世界が出来上がっていた。



うぅ…なんか最近、こんなことばっかりじゃない…?



「斗真、帰ってください。邪魔でしかないんですけど」



「絶っ対帰ってやんねー!」



斗真さんの声が響き渡って、ようやく座る位置が決まった。



机を挟んで私の横に紫呉さん、その前に斗真さんの図が完成。



「今日は翠に、ノヴァの在り方について話そうと思っていましたが…それ以外にも話したいことはあるので、よく聞いていてください」