す、すごい…紫呉さんがこの人のペースに巻き込まれてる…!
どうしてか分からないけど、2人がとても親しい仲だということがわかった。
こんなに打ち解けてるから、紫呉さんの親友…とか?
それなら納得いく気がして、そう思い込もうとした時。
「口うるさい兄ちゃんだなぁほんとに」
…………え?
「それはこっちのセリフですね。聞き分けの悪い弟で嫌になります」
“兄ちゃん”……?“弟”………?
2人の口から出てきたワードに、思わず目が点になった。
「まーたそんなこと言って…知ってた?それ、ツンデレって言うんだぞ」
「何馬鹿なこと言ってるんですか。って、こんなことに時間を使ってる場合じゃないんです。翠、こんなやつのことは無視しましょう」
紫呉さんに引っ張られて、そのまま中に入ってしまいそうになる。



