「ふふっ、ありがとうございます。紫呉さん」
多分…ううん、絶対そうだって言いきれる。
「翠が変態って言われて喜んでしまう人だったなんて驚きです」
「ち、違いますよ…っ!」
「どーだか」
紫呉さんの意地悪の裏には、私を思ってくれる気持ちがあるって知っちゃったから。
でも、紫呉さんって不思議な人だよね。
カッコイイことを言う時は全然平気そうなのに、こういう時だけ照れちゃうなんて。
こういう人もいるのかなぁ…なんて、1人で考えていると。
「わぁ、こんな寂れたところでイチャイチャしてる人たち発見〜」
後ろから男の人の声が聞こえて振り返る。
声の主は、紫呉さんにも負けないくらい顔立ちが整っている男の人で。
紫呉さんと同じ制服を着ているから、もしかしたら2人は知り合いなのかもしれない。
だ、誰……!?
でも、私は全く知らない人だからオロオロしてしまう。



