「な…なんで紫呉さんがここに…私、何も言ってませんよね…!?」



「ここの辺りは高校が少ないですからね。おおよそ予想は着きました」



そんなことある…?



「でも、3つくらいあったはずじゃ…」



「その内の1つが俺は通う高校なんです。あとの2つは、評判も偏差値も普通なこの公立高校と、高い学費で有名な私立高校。翠がどちらの生徒かなんて、確かめなくても分かります」



え…なんか今、そこはかとなく私が普通って言われたような…。



うん、今はそんなことどうでもいいよね。



彩那ちゃんは私の隣で呆然と立ち尽くしている。



目の前にいる紫呉さんの容姿に驚いているのだろう。



私も紫呉さんを見たとき、本当にびっくりしたもんね…。



今見ても、この世界のもう一つ下にいる次元の人なんじゃないかと思わされる。