「いや、そもそもなんで断った?って話。普通ありえないっしょ!」
「な、なんでって…」
そんなのいっぱいあるよ…?
「暴走族…って、怖いし」
「守ってくれるって言ってたんでしょ」
「迷惑かけちゃうし…」
「翠にかけられる迷惑ならご褒美だわ」
「………怖いし」
「いい加減キレるよ???」
ひぃっ…!彩那ちゃんの顔怖い…!!
聞いてくれるって言ってたのに、怒られてるのはなんでだろう。
「結局翠が怖がってんのは、暴走族じゃなくてその総長を好きになった“自分”。他の誰でもない、知らない自分が増えてくのが怖いんでしょ?」
「…っ!!」
彩那ちゃんの鋭い指摘を受けてハッとした。



